人事の仕事に挑戦してみたい。でも、未経験じゃ難しいのでは?」
そんなふうに思っていたのは、かつての私自身です。営業として働きながら、人と接する仕事にやりがいを感じつつも、「採用や育成をする立場に回ってみたい」と強く思うようになりました。けれど求人票を見れば「人事経験3年以上」といった条件が並び、正直、諦めかけた時期もありました。
それでも小さな一歩を重ねることで、人事への道は開けていきました。本記事では、私が未経験から人事を目指したプロセスを「体験談」として共有しつつ、実際に役立った考え方や転職活動のポイントを「解説」としてまとめます。同じように挑戦を考えている方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
未経験から人事を目指したきっかけ
転職経験から芽生えた人事への興味
私は20代の間に、販売・営業・事務職といった複数の仕事を経験し、合計で5回の転職をしてきました。数多くの面接を受ける中で、さまざまな人事担当者と出会いました。その場で「もし自分が人事だったら、こういう聞き方をすれば候補者が話しやすいのでは」と考えることが増え、面接を客観的に観察する視点を持つようになったのです。
この経験から、人事という仕事自体に強い興味を持つようになりました。また、営業や販売で培ったコミュニケーション力や商工会議所で学んだ転職関連の知識など、自分の過去の経験が人事職に活かせることも確信しました。転職経験の多さは、面接官目線を持つ強みとしても役立ちました。
人事職に必要な経験は「一つの道」だけではない
人事は「経験者のみ」が活躍できるわけではありません。販売や営業で培った対人スキル、事務での調整力や管理能力など、異職種で得た経験が十分に活かせます。採用では候補者の緊張をほぐす会話力、労務管理では書類整理や調整力が求められるため、これまでの多様な経験は大きな強みになります。
最初に直面した「未経験の壁」
求人票に心が折れそうになった日々
いざ人事を目指そうと求人票を探すと、現実は厳しいものでした。「人事経験3年以上」「社会保険労務士資格保持者」などの条件が並び、未経験で挑戦できる求人はほとんどありませんでした。
そのたびに「自分には無理かも」と落ち込むこともありました。しかし、規模の小さい中小企業やスタートアップ企業では、タイミング次第で未経験でも応募可能な求人が出ることもあります。さらに、入社時に営業や他部署に配属されても、将来的に人事へ異動するチャンスがあります。面接で「人事に関わる可能性はあるか」を聞くことも一つの戦略です。
未経験から人事を狙うなら“戦略”が必要
未経験で人事を目指す場合、戦略が重要です。
• 規模の小さい会社を狙う:スタートアップや中小企業は熱意重視で採用される場合があります。
• 社内異動を視野に入れる:まず他部署に入り、異動制度で人事に近づく。
• 面接で意欲を示す:未経験でも熱意や自分の強みを伝えればチャンスは広がります。
さらに、複数の職種を経験してきたことを強みとして語ることも有効です。人事は採用だけでなく労務・教育・制度設計など幅広い業務があるため、多角的な経験は大きな武器になります。
中小企業だからこそ広がったキャリアの可能性
人事以外の業務を経験してチャンスを掴む
私は現在、比較的規模の小さい会社で人事を担当しています。ここでは人事だけでなく、総務・経理・システム関連の業務も幅広く任されています。
そのため、「人事経験がないから無理」と考える必要はなく、自分の強みを掛け合わせることで採用のチャンスが広がります。簿記資格があれば経理も担当可能、パソコンやシステムに強ければIT関連も任せてもらえるなどです。さらに、人柄も重要で、縁の下の力持ちとしての姿勢をアピールすることで、未経験から人事を始める一つの手段になります。
先輩の事例に学ぶ
実際、今私の会社の先輩ももともとは経理担当でした。しかし他業務をこなしながら人事業務にも挑戦し、今では人事の中核を担っています。必ずしも最初から人事未経験で採用される必要はなく、他の業務を通じて人事に挑戦できるチャンスは巡ってくるのです。
まとめ
未経験から人事職に挑戦するには、「過去の経験をどう活かすか」「小さなチャンスを掴む姿勢」がカギです。転職経験の多さや、他職種で得たスキルは、人事として働く上で強みになります。未経験でも、幅広い業務に挑戦しながら自分の強みをアピールすれば、道は必ず開けます。
人事職は、候補者や社員の成長を支えるやりがいのある仕事です。挑戦を諦めず、自分の経験を信じて一歩踏み出すこと。それが、未経験から人事への転職を成功させる秘訣です。
(執筆:Nayo/キャリコイ)
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